このマンガがすごい!

【おすすめ深夜ドラマ・このマンガがすごい!】第8話 塚本晋也の”やなぎ屋主人”

この記事では、おすすめ深夜ドラマ「このマンガがすごい!」の第8話のあらすじ、感想をご紹介したいと思います。監督業と兼ねて役者もやられている塚本晋也さんが”やなぎ屋主人”の実写化に挑みます。

塚本晋也さんのプロフィール

1960年1月1日、東京・渋谷生まれ。14歳で初めて8ミリカメラを手にする。87年「電柱小僧の冒険」でPFFグランプリ受賞。89年「鉄男」で劇場映画デビューと同時に、ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞。

主な作品に、「東京フィスト」、「バレット・バレエ」、「双生児」「六月の蛇」「ヴィタール」「悪夢探偵」「KOTOKO」「野火」など。国内、海外で数多くの賞を受賞。

1997年、2005年に2度のベネチア映画祭に審査員として参加。また俳優としても活躍。監督作のほとんどに出演するほか、他監督の作品にも多く出演。「とらばいゆ」「クロエ」「溺れる人」「殺し屋1」で02年毎日映画コンクール男優助演賞を受賞。「野火」で2015年、同コンクールで男優主演賞を受賞。その他に庵野秀明「シン・ゴジラ」、マーティン・スコセッシ監督「沈黙ーサイレンスー」など。他、ナレーター仕事も行う。

公式サイトプロフィールより引用

塚本晋也さんは、世界中に熱狂的なファンを持つ映画監督の一人で、自ら製作・監督・脚本・撮影・美術・編集などを兼ねてやられている自主制作スタイルを貫いています

マンガの実写化に関しては

・熱狂的な原作ファンに、そこは違う!とか言われるのがやはり難しい。

自分が実写化できるかどうかは、その作品が好きかそうでないかが重要。
半ば恋のように、わかっちゃいるけど止められない。怒られてもいいやっていう状態ならやってもいい。
・最近流行りの少女マンガの実写化はだいたい同じに見えるからやらない(笑)

というスタンスのようです。

”やなぎ屋主人”とは?

やなぎ屋主人とはつげ義春先生のマンガです。1970年にガロという雑誌で発表されたマンガです。「網走番外地」の歌を聞いて衝動的に海が見たくなった主人公の青年が、房総半島へ向かいます。ついた頃にはすでに夜。付近には宿がなく、青年は大衆食堂の「やなぎ屋」に泊めてもらうことに。やなぎ屋は、年配の女性とその娘が切り盛りしている食堂でした。泊まった夜、青年は寝ることが出来ず、やなぎ屋の娘と関係を持ち、やなぎ屋の主人となって妻(娘)とともに老夫婦となって店の前に立つような妄想にふけるのでした。。。現実とも妄想とも言えない不思議な感覚のあるマンガだと感じました。

塚本晋也さん曰く
つげ義春さんのマンガは、文学的で今まで自分が思ってたマンガと全然違った
・映画のことで頭がいっぱいだった高校生の自分の中に、つげ義春さんのマンガだけは頭の中にチカチカ…瞬いていた。
・湿度の高いセリフがいい。
つげ義春さんのマンガの世界の住人になりたい。たっぷり浸かって住んでみたいと思った。

蒼井優さんから見て、塚本さんの映画と似たような部分が有るらしく、塚本さんの映画製作にも影響を与えているようです。

”やなぎ屋主人”の実写化

やなぎ屋主人は、”よろずや”というホントにある食堂がモデルになっています。
塚本さんはマンガと比べて見たいということで、実際に行ってみることに。”よろずや”の女将さんは、マンガと同じように、つげ先生を泊めてあげたそうです。

まさか”やなぎ屋主人”のような妄想をされているとは露知らず。こたつやテーブルは当時と同じものを使っているそうです。物語と同じく、食堂には女将さんと娘さんの二人。ご主人は戦争で亡くなられたそうです。実際のつげ先生は物静かな方だったそうです。

塚本さんのお願い

塚本さんは女将さんに「1週間、ここで働かせてくれないか?」とお願いをします。

映画作るときに、塚本さんは実際体験をなるべくして撮影に挑むそうです。やなぎ屋主人の中で、青年が一夜で出ていかないで、ずっと働いた後の妄想をします。その部分を1週間で体験したいと。女将さんは快諾。一週間後、蒼井優さんが迎えに行きます。

”よろず屋主人”となった塚本さん

すっかり板についた塚本さん。カツ丼を蒼井さんに振る舞い、しっかり主人になりきっています。その後、マンガにも出てきた「網走番外地」を歌いながらお酒を酌み交わします。塚本さんのよろず屋主人は、湿度というか、カラッとした明るい最後となったようです。

感想

・自分が実写化できるかどうかは、その作品が好きかそうでないかが重要。
・半ば恋のように、わかっちゃいるけど止められない。怒られてもいいやっていう状態ならやってもいい。

まさにこれを地で行ったようなドラマだったと思います。塚本さんの”よろずや主人”は明るく、カラッとした作品に仕上がりました。つげさんのような妄想と現実の曖昧な湿度のある不思議な感覚はなく、熱狂的ファンから見ると違うなーって感じかもしれません。ただ、塚本さんが作品に恋をしているからこそ出来たドラマであり、わかっちゃいるけど止められないって事なんでしょうね。